2023年4月1日

公益社団法人日本証券アナリスト協会

新しいプライベートバンキング（PB）教育プログラムの開始について

　平素より、当協会の事業運営につきまして、格別のご支援・ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

　当協会では、2013年にプライベートバンカー（PB）資格を創設して以降、初めてPB教育プログラムを改定しました。新しいPB教育プログラムの詳細についてご案内します。

 １．学習分野の再編

　新しい教育プログラムでは、学習分野を①資産の運用、②資産の承継・管理、③事業の承継に整理・再編し、アップデートされた情報を盛り込んで内容を刷新します。また、職業倫理を顧客とのかかわりかたとともに学習することでプライベートバンカーのあるべき姿の理解を目指します。

２．テキストと資格試験の見直し

（１）新テキスト『新プライベートバンキング』の発刊

　改定後のPB教育プログラムに準拠した新テキスト『新プライベートバンキング』（第1分冊～第3分冊）を発刊しました。

　ファミリーとビジネスの両面から顧客の課題を解決できることがプライベートバンカーに必要とされる特徴的なスキルであることを意識しつつ、プライベートバンキング業務を巡る環境の変化も踏まえ、現行テキストの内容を一新しました。特に資産の承継・管理に関しては、近年普及が進んでいる信託について、事例に基づく解説を充実させました。また、事業承継に関しては、親族内承継と親族外承継に分けて詳しく解説するだけでなく、顧客のビジネスの永続的な成長を支えるために役立つ知識として、事業価値評価も取り上げています。

　PB資格の取得に際して求められる知識やスキルを「学習ポイント」として網羅したほか、図解・数値例を充実させ、例題やトピックス等も掲載するなど、より学びやすいテキストとなっています。

　各分冊は新しいプライマリーPB試験の各試験単位（Ⅰ～Ⅲ）に対応しています。

（２）新しいプライマリーPB試験の開始

　新テキストに基づくプライマリーPB試験を、2023年4月10日（月）より開始します。

　4肢択一式のコンピュータ試験（CBT）で、3単位ある試験を単位毎に受験可能であることや、問題数（各単位40問）、試験時間（各単位100分）、受験料（各単位8,400円）は従来から変更はありません。現行のプライマリーPB試験で取得済の単位は、新しい試験の同一単位として引き継がれます（有効期間も引き継がれます。但し、下記２.（３）の新しいプライマリーPB試験単位合格者の対外表記は適用されません）。

（３）新しいプライマリーPB試験単位合格者の対外表記について

　新しいプライマリーPB試験において試験単位に合格した方については、その事実を名刺への記載等によって表記することができるようになります（例えば、日本証券アナリスト協会　PB「資産運用」分野修了など）。これにより、特定の分野を修了したことを第三者に示すことができます。

　受験者には、3単位の合格によりプライマリーPB資格を取得することを期待していますが、まずは、PBへの入り口として、自らの経験・スキルやキャリアパスに合わせて選択した分野からチャレンジしていただければと思います。PB教育プログラムを職員の研修の一環として使用する金融機関では、育成したい特定の分野の単位の取得を奨励することで、それぞれの金融機関のニーズにマッチした人材の育成を図ることができます。

（４）その他

①PBコーディネーター試験の終了

　PBコーディネーター試験は2022年12月に終了しました。
　なお、既に取得したPBコーディネーター資格は、継続学習要件を充足することで従来通り更新が可能です。また、名刺等への資格称号の記載も可能です。

②シニアPB試験

　シニアPB試験については、今回の教育プログラムの改定による変更はありません。